経緯
二次医療圏での医療連携による地域完結型医療を目指して
別府市医師会がある大分県別府市は人口が約12万人で個別の医療機関が127施設あり、1,000人に1つの医療機関がある密集した地域で基幹病院が5施設あります。その内訳は急性期の機能を持つ医療機関が3施設、大学系の医療機関が1施設、結核や重症心身障害児(者)、筋ジストロフィー等に特化した機能を持つ医療機関が1施設と様々な役割で機能しており地域医療に貢献してます。また、別府市医師会ではIT化に積極的に取り組んでおり、医師会業務を初め、病診連携においては平成14年に所属する病院・診療所の施設機能情報を載せた紙媒体(ルーズリーフ)とエクセルで検索できるシステムを皮切りに平成21年に長崎県大村市医師会が取り組んでいた「あじさいネット」を視察し、翌年この「あじさいネット」を参考に地域医療の質の向上を目的としたセキュリティレベルの高い閉鎖的なネットワーク網「ゆけむり医療ネット」を整備しました。この「ゆけむり医療ネット」の経緯は医師会員の病院・診療所を閉鎖されたネットワークによって結び、医師会業務を中心にそれぞれが院内LANのように繋がり自由に情報を交換する事を目的に整備していましたが、基幹病院の電子カルテ化が進み5施設それぞれがバラバラに情報を公開することになると情報を受ける病院や診療所側が困惑すると考え、中立的な立場の医師会が中心となって運用と管理を行うようになりました。
現在では、別府市内60施設、30薬局、所属する医療圏の近隣郡市で10施設の医療機関が接続されています。
現在では、別府市内60施設、30薬局、所属する医療圏の近隣郡市で10施設の医療機関が接続されています。
年表
平成14年(2002年) | 「別府市医師会病診連携(医療連携)システム資料リスト」配布 ルーズリーフ型の紙ベースで作成し、エクセルでも検索できるシステムをCD-ROMへコピーして配布 |
---|---|
平成18年(2006年) | 光ファイバーによるプライベートネットワーク網の検討 会員と医師会を光ファイバーで繋いで「医師会業務」と「地域医療連携」 の2つに分け、 会員同士でも接続できる連携網の整備 |
平成19年(2007年) | 光ファイバーによるプライベートネットワーク網テスト開始 |
平成20年(2008年) | グループウェア検討 |
平成21年(2009年) | あじさいネット視察 (大村市医師会視察) |
平成22年(2010年) | 「ゆけむり医療ネット」(医師会業務システム)開始 |
平成23年(2011年) | 「ゆけむり医療ネット」(地域医療連携システム)開始 |
平成24年(2012年) | 地域医療連携システムへ検査・健診データ公開開始 処方箋の電子化に向けた実証事業に参加 |
平成25年(2013年) | 処方箋の電子化に向けた実証事業に参加(継続) |